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和樹さんと真理子さんがまさかの知り合いということが判明し、彼女にはかなり強引に夕食に参加してもらった。
2人の関係も気になったし、何よりも凌と和樹さんと3人で仲良く鍋をつつく気にはならない。みんなでワイワイ楽しくという感じでもないだろうし、何をしゃべっていいのかもわからない。
だから、真理子さんの参加は、本当に助かった。
彼女を中心として、いろんな会話が飛び交ってるので、食卓も明るい。
それにしても、女性の扱いに関してはプロ並み(と思われる)の和樹さんが、心なしか緊張しているように見えるのは気のせいだろうか?
箸も口もほぼ止まることなく動いてるし、気づかいもバッチリなんだけど、何となくいつもの馴れ馴れしさがないような気がする。
突っ込んで聞いていいのか迷ってるうちに、食事は終盤に。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
「ごちそうさま」
「お腹いっぱい。悠莉ちゃん、ごちそうさま」
みんな順番に箸を置いて、手を合わせる。
「お粗末さまでした」
私もそれにならい、食事は全員無事終了。
片づけをしようと空いてるお皿を集め始めると、すかさず真理子さんも立ち上がってキッチンへ。
「あっ、いいですよ。洗い物は後でしますから。今からコーヒー淹れますね。一服したら車で送りますから」
手伝う気満々の真理子さんを説得し、リビングに戻ってもらおうと背中を押していると、
「悠莉ちゃん、真理子さんは俺が送っていくからさ」
和樹さんが、ひょこっとリビングのドアから顔を出した。
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