9. 訪問者は突然に #2

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ーーーーーー 「2人っきりになっちゃったね」 「ああ」 私と凌、お互い顔を見合わせる。 そう、私達は今、自宅で静かにコーヒーを飲んでいる。 あれから数分して、帰る旨を告げにリビングに顔を出した真理子さんは、頬が上気していて、何となく目がトロンとしていたのは気のせいではないと思う。 だいたい何があったのか想像出来そうな気がするが、あえてここは詮索しないことにしよう。 結局、食後のコーヒーも飲むことなく、慌ただしく帰って行った。 もちろん、和樹さんと共に……。 「あの2人結婚するのかな?」 「さあな」 さっきとは打って変わって、つれない返事の凌。 「そんなこと言って。凌だって和樹さんのこと心配してるくせに」 「心配はしてない。あいつはゴキブリ並みに、どこでもどんな状況でも生きていける奴だからな」 「凌ってば、言い過ぎ!!」 軽く肩を叩く。 「まあ、あの遊び人が落ち着くのは世の女性の為にもいいことだな」 そう言う凌の顔は穏やかで、きっと和樹さんの幸せを望んでいるんだろうということがわかる。 「結婚式とかするのかな?真理子さんならドレスより白無垢が似合いそう」 1人でウキウキ妄想する私に、 「人のこともいいが、自分のこともそろそろ考えたらどうだ?」 と、意味不明な質問が飛んでくる。 「へっ?」 「式、挙げるぞ」 間抜け面の私に、凌は衝撃発言をした。
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