第1章

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夜の街、きらめくネオン、金曜ということもあり、まだ街の中は慌ただしい深夜一時。 カランコロン。 ドアベルの音と共に本日最後のお客様のご来店です。 『レイちゃん、ちょっと?もー、あ、しーん!助けて!』 と、呼ばれてるのが、BAR 浪漫のバーテン シンこと田山伸一。前のお客のグラスを洗う手を拭きながら、レイと呼ばれる女性を軽くお姫様抱っこの状態で抱える。 『あ、また、レイちゃん抜けちゃったの?』 シンに抱きかかえられ、幸せそうな顔を浮かべてるのがレイこと佐藤怜奈。 『馬鹿課長が、散々飲ませるんだもーん。困っちゃうわよ。あわよくば、連れて帰ろうとでも思ってんのかしら?セクハラで訴えてやる』 そして、やれやれ、という顔でカウンターに腰掛けたのが、怜奈の先輩チグサこと小館千草。 レイの綺麗にカールされた髪が崩れないように脇にまとめてあげながら、ソファに寝かせる。 『うーん、しんさぁん』 手で、シンのことを探すも、掴まれすんなりタオルケットの中に仕舞われる。 頭を軽く撫でつつ、バーカウンターに戻ってくる。 『いつも通り?』 優しい声は、スッと店の中に消える。 ジッっと見つめてくる目元を、うまく交わす。 『うん。ロック。あ、でも、今日はダブルで』 『なんか、あったのか?』
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