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ある朝目が覚めると、隣に真っ裸の美少女が眠っていた。
この言葉だけを聞くと、それなんてファンタジー?
これからラッキースケベに満ち溢れたラブコメ主人公のごとき生活が始まるんだろうな、リア充爆発しろ!
多くの方がハンカチを噛み締めながらそう叫ぶ事だろう。
だが、あえてこう言わせて頂きたい。
ただし二次元に限ると。
「…………」
俺はたっぷり三十秒ほど硬直した後、身を起こした事で捲れ上がった毛布を下ろした。
そして露になった美少女のすべらかな肌を隠す。
その際白磁のような肌の中心に色づく、サーモンピンクのちく……否。
ビーチク……否!
B地区を網膜に焼きつけておく事は忘れない。
心頭を滅却して、手早く毛布で美少女の全身を包み込んだ。
ぐるぐる巻きにした。
簀巻きにした。
一部の隙もないほどに巻きまくった。
そして美少女の毛布巻きを肩に担ぐと、そのまま部屋の窓から放り投げる。
大空にリリースした。
ガサガサガサッ!
ズシン!
「ぎょべぇッ!」
窓の外からアレな物音とソレな落下音とコレな呻き声が響いて来る。
俺はそれに清々しい笑顔で頷くと、窓を閉めて踵を返した。
この一連の行動は、世間的に見れば批判されるべきものだろう。
だが、言わせて頂きたい。
俺はあるべきものをあるべき所に返しただけだと。
なぜなら美少女の背中には、コウモリのような翼があったのだから。
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