たぶん第1話

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   俺は制服に着替えると、朝食を摂るべく階下に降りた。  すると台所で謎の生き物とエンカウントする。 「おはようございます、ア・ナ・タ!」  語尾に「キャハッ!」という思わず絞め殺したくなるような笑い声をつけて、その生き物は恥ずかしそうに身をよじった。  身をよじった事で、エプロンの隙間から先ほど目にしたB地区がコンニチワする。  さっきのヤツや。  さっき放り投げたヤツや。  大空にリリースしたはずのヤツが、裸の上にエプロン一枚のみを身に着けて台所に立っている。  思わず白目を剥きそうになってしまった。 「アナタ、お風呂にしますご飯にします? そ・れ・と・も――」  くねくねとし出したそいつに皆まで言わせず、俺は無言で歩み寄る。  両肩に手を置くと、くるりと身体を反転させた。  そしてぐいぐいと肩を押して、台所の勝手口の方へ押し出して行く。 「きゃっ! アナタったら強引~!」  謎の生き物が何やら喚いているが、気にしない。  勝手口から外へ放り出すと、素早く扉を閉めた。  厳重に鍵をかける。  さらに扉の前に冷蔵庫を移動させた。  ふぅ……。  これでひとまず安心だ。  俺は気を取り直して朝食を食べる事にした。
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