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俺は制服に着替えると、朝食を摂るべく階下に降りた。
すると台所で謎の生き物とエンカウントする。
「おはようございます、ア・ナ・タ!」
語尾に「キャハッ!」という思わず絞め殺したくなるような笑い声をつけて、その生き物は恥ずかしそうに身をよじった。
身をよじった事で、エプロンの隙間から先ほど目にしたB地区がコンニチワする。
さっきのヤツや。
さっき放り投げたヤツや。
大空にリリースしたはずのヤツが、裸の上にエプロン一枚のみを身に着けて台所に立っている。
思わず白目を剥きそうになってしまった。
「アナタ、お風呂にしますご飯にします? そ・れ・と・も――」
くねくねとし出したそいつに皆まで言わせず、俺は無言で歩み寄る。
両肩に手を置くと、くるりと身体を反転させた。
そしてぐいぐいと肩を押して、台所の勝手口の方へ押し出して行く。
「きゃっ! アナタったら強引~!」
謎の生き物が何やら喚いているが、気にしない。
勝手口から外へ放り出すと、素早く扉を閉めた。
厳重に鍵をかける。
さらに扉の前に冷蔵庫を移動させた。
ふぅ……。
これでひとまず安心だ。
俺は気を取り直して朝食を食べる事にした。
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