第1章

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次の休みには、家に帰ろう。 胸張って、ただいまって言えるように、また頑張ろう。 今自分ができることをするんだ。 目の前だけを見て、迷わない。 だって、自分でこの道を選んだんだから。 もっと楽な道もあったかもしれないけど、それは誰にもわからない。 後悔するくらいなら、次どうするか考えるんだ。 迷ったり、疲れたときには、ちょっとだけ、甘えさせてもらおう。 いいよね、母さん。 『当たり前でしょ? いくつになったとしても、あんたは、私の娘なんだから』 きっと、そう言って笑うに違いない。 よし、帰るか! 長い昼休みを終えて、また会社に戻る。 少しでも誰かに必要とされる人間であるために、今自分ができることをする。 それは、私の原点でもあったんだ。 いたいのいたいの、とんでいけ。 そして、一時でも忘れさせて欲しい。 この孤独を。   <FIN>
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