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人生には、いくつものターニングポイントがある。
私の場合は、あの時と、今。
間違ったとは、思いたくない。
確かに、譲はいい旦那様になり、父親になったに違いない。
だけど、あの時の私には、どちらも必要のないものだった。
今、これほどまでに必要とするならば、どうしてあの時、あの手を掴まなかったのか。
認めてもらえない仕事なんて、全部放り出して、譲の胸に飛び込んでいたなら、今頃どんな人生が待っていたのだろうか・・・
そこまで考えて、首を振る。
今更どうしようもないことを、振り返っても仕方がない。
考えてしまうのは、今が苦しいから、逃げたいだけ。
肝心なのは、今どうするか。
『いたいのいたいの、とんでいけー』
先ほどの母親の声が、心に響いてきた。
そう、苦しいの。
助けて欲しい。
誰かに。
頑張ったね。
もう、大丈夫だよ。
そう言って、頭を撫でてもらいたい。
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