2人が本棚に入れています
本棚に追加
突然、携帯の着信音が鳴る。
珍しく、母からだった。
「美奈子、元気にしてるかい? あんまり根つめて、身体壊したら、何にもならないよ。今度の休みは帰ってこれる? 荷物送りたいから、いつ送ったら良いか教えてよ」
手作りのおかずがたくさん入った荷物。
不在通知が何枚も重なったポスト。
『家にほとんどいないから、送らなくて良いよ!』
ほとんど腐りかけた荷物を受け取った後、母に吐いた暴言。
携帯を握り締めながら、涙がぽろぽろとこぼれてきた。
「いらないって、言ったのに・・・」
涙声で、必死に虚勢を張る私。
こんな惨めな自分を、見せたくない。
心配かけたくない。
「美奈子、何かあった?仕事のことは、母さんよくわからないけど、疲れたときは、いつでも帰っておいで。美咲さんがいたら、遠慮するかもしれないけど、ここはあんたの家なんだから、堂々としてなさい。なんなら、母さんへそくり使って、夫婦で旅行に行かせてもいいんだからね!」
最初のコメントを投稿しよう!