カノジョの謎

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「あと15分くらいで到着するそうでぇ~す!!」 俺、御子柴柊哉(みこしばしゅうや) の属するアウトドア交流サークルの面々は、今、夏の恒例イベントであるバーベキューイベントの準備の真っ最中だ。 今年で3回目であるにもかかわらず、大学仲間の男連中は、今日は今までになく興奮Maxモードだ。 それもそのはず、今日のバーベキューはあの美女ぞろいの女子大、希恋館女子大の女子学生たちとの合同イベントだから。 でも俺がなぜアウトドアのアクティビティが好きかっていえば、合コンできるからとか、バーベーキューが好きだからとかじゃない。 それはあの子との最後の夏となった、10年前の林間学校での思い出につながるからだ。 高尾山の山間の木陰で、暑い中ふーふーいいながら、一緒に食べたカレーの味。 、、、そうなんだ。 彼女の思い出はなぜかカレーに絡むことが多い。 カレーと聞けば、未だに彼女を思い出すくらいなんだから。 笑顔がとても可愛らしかったあの子。 それなのになぜか名前がはっきり思い出せない。 なんだったっけな。 カレーのような名前、カレーのような、カレー、カレ、、、ん? そうだ、彼女の名前は確か、、、 周りの喧騒をよそに、俺は初めて彼女と会ったころのことを、色濃く思い出し始めていた。
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