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「撮影のことで口出ししないでよ。カンナくんも、お兄ちゃんが何言ったか知らないけど、気にしないでね」
「だがな、クレア」
「お兄ちゃん…邪魔」
怒りマークを額に浮かべながら笑顔で言い放ち、カンナの手を取ってクレアは撮影隊のテントへと向かう。
一人取り残されたキリナはクレアの一言がかなりショックだったのか、膝を着きガックリと項垂れた。
演出などを助監督から説明を受けている二人を遠くから見ているキリナの横にキャシーが来た。
「本当、ここまで妹バカだと呆れるわ」
「何だと!?」
「そうでしょう?確かにクレアちゃんはあなたの大事な妹だろうけど、あなたの所有物でも何でもないのよ。やることにいちいち口出ししたら嫌われるわよ」
「それはそうなんだが、でもキスだぞ、キス!公衆の面前でそんなことさせられるか」
「だからってカンナちゃんに八つ当たりは可哀想じゃない?」
キャシーに続き、ボビーまで来てキリナをたしなめる。
「アイツが上手くやれば良いだけのことだろう」
「そうは言っても、カメラ横から入れるみたいだからフリは難しいんじゃないかしら」
クレアのメイクを担当した関係で撮影内容を聞いていたボビーが言うと、ショックからキリナは雄叫びと共にクレアの名を叫んだ。
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