第2章

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 キースの肩に担がれたまま運ばれるナタリーは、まだ暴れながら騒いでいた。 「キース!降ろせと言ってるだろう!」 「暴れるなって。ほら」  ナタリーに言われたからなのか、キースはやっと彼女をヤシの木の側に降ろした。 「なぜ邪魔をする!まだ私はアイツらに言いたいことが…お、キース見てみろ!」  文句を言っていたと思ったら、ナタリーが自分の背後を指差すのでキースが振り返ると、桟橋の上でカンナとクレアがキスシーンの撮影でちょうど唇を重ねたところだった。 「おぉ~凄いな、カンナもクレアもやるときはやるんだな」  ニヤニヤしながら少し興奮ぎみに言うので、キースは軽くため息を吐いた。 「ナタリー、お前のそういうの何て言うか知ってるか?」 「?」 「ノゾキ」 「し、失礼な!」  顔を赤くして反論するも自分でもそうかもしれないと思ったのか、腕組し頬を膨らませてそっぽを向いた。
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