第2章

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 しかしすぐに桟橋の方向に顔を向け、続きを見物し始めた。 「しかし、カンナもチャレンジャーだな。キリナにお仕置きされるのは分かってただろうに」  桟橋の上ではOKが出て撮影が終わったのか、キリナが怒りのままカンナをどこかへ連れていこうとしていて、それをクレアが必死に止めている。 「本当、俺にも理解出来ないよ」 「お前も相手役スカウトされたんだろう?断ったのはこうなるのが分かっていたからか?」 「いや、単に内容が嫌だったからさ。相手が誰であろうと、断ったよ」 「デートならばお手のものだろうが」 「そっちじゃない。キスが嫌だったんだ」  口角を少し上げ、自嘲気味に寂しそうに笑いながらキースが答えた。 「キスが嫌だなんて、そんな純情なヤツか、お前が?」  ナタリーがいつもの調子で軽口を叩くと、キースがナタリーに怖いくらいの表情で寄り、その迫力に後退すると木に阻まれ逃げ場を失った。 「…確かに女の子とデートもするし手だって繋ぐし腕だって組むよ。だけど、どんなにせがまれても雰囲気が良くなっても、キスはしてない。俺は初めてのをしかも演技で人前でするなんて、真っ平ゴメンだね」
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