第2章

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 ナタリーが頬を濡らしているのは分かっていながら、それでもキスを止めないキースにナタリーは怒りよりも悔しさや哀しさだけが募っていた。  何でこんなことをするのか?、私のことが嫌いなのか?と問いたい気持ちを抑えて、されるがままにいると、気持ちとは裏腹に出すつもりが無くても自然と微かな隙間から甘い吐息が漏れる。  キースはナタリーの手を解放し、空いた腕で彼女の身体を強く引き寄せて、更に深く甘い口づけを交わす。  やっとキースが離れると、ナタリーはズルズルとその場に座り込み、ようやく涙を手の甲で拭うことが出来た。  文句を言いたかったが、それよりも彼にされたことがショックすぎて涙が止まらないので、顔を背けて何度も拭っているとキースがため息を吐いた。 「泣くなよ」 「誰のせいだ!私は初めてだっだんだぞ。それをこんな…。お前がそんなに私のことを嫌いだとは知らなかった」  言っているうちにまた涙が込み上げてきて、ナタリーは下を向いた。 「何で嫌ってるってことになるんだよ」 「…嫌がらせじゃないのか?」 「嫌がらせでキスなんて出来るか!」  不思議そうに尋ねるナタリーに勢いで答えたキースが、珍しく顔を赤くして狼狽えている。
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