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「お前にとって、キスなんて大したことじゃないだろう?」
ナタリーが尋ねると、キースは頭を照れ隠しなのかガシガシと掻き乱した。
「言ったろう?誰ともしてないって」
「ちょっと待て。じゃあ何で私と…」
「したかったからした。全部言わなきゃ分からない?」
頭の中で、ファーストキス+私だからしたかった=…という方程式を思い浮かべ、答えを導きだして自惚れだろうかと思いながらも、顔が赤くなるのは止められない。
「まさか…いや、その」
今度はナタリーが狼狽える番。
「本当はもっとロマンチックにやりたかったんだけどな。暴走した。悪かったよ」
キースの言葉に、先程の答えが間違いないと確信しつつ、それでもキチンと言って欲しいのが女の子。
「謝罪と共に私に言うことあるんじゃないのか?」
「小さくて可愛いよって?」
おどけて言うキースに、また子供扱いされたことに腹を立てたナタリーが勢い良く立ち上がった。
「お前はまた私を…」
いつものようにポカポカ殴ろうとすると、キースがその手を止めると耳元に口を寄せ、
「好きだよ」
と、囁いた。
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