第2章

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「キース、まさか他の女にも『好きだ』とか言ってるんじゃ無いよな?」  日頃の彼の行動を思うと、自分に言ってくれた言葉がどういう意味合いで言ってきたのか不安になってきた。 「言ってないよ。デートはするけど、それ以上して相手に本気になられても困るし」 「私だけだと思って良いんだな?」 「疑り深いな」  眉をひそめるキースにナタリーは次の言葉が出てこなくて俯いた。  まだ半信半疑なのを口にしたら嫌われてしまうのではないか?しつこいと思われているのかと、不安になってきた。 「言いたいことあれば今ちゃんと言えよ。大方、信じられないって思ってるんだろ?」  見透かされたのかと顔を上げると、キースがニヤついて軽くデコピンをしてきた。 「すぐ顔に出るから分かるよ」  額を押さえたまま、ナタリーは思い切って一つお願いをすることにした。 「キース、その…やり直ししたい。あんな一方的なのじゃなくて、ちゃんとしたのを」  キースは少し驚いた顔をした後、今度は少し笑いながらナタリーの頬に手を添えた。 「今度は嫌がるなよ?」 「嫌なものか!」  笑いを含みながら返事をして、精一杯背伸びをしてキースに顔を近づける。  そして恋人として初めての甘い口づけを交わした。 END
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