1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?あんたは確か助監督の…」
「そうです!ちょっとこちらでお話よろしいですか?」
促されるままカンナはクレアの撮影隊のテントに招き入れられ、監督の前に通された。
「実はクレアさんのPV撮影があるんですが、予定していた相手役が出れなくなりまして、あなたに代役をお願いできないかと…」
「何で俺が!」
助監督の説明に、カンナは声を荒げた。
「お願いしますよ。今日中に撮らないとマズイんです。今から代役探してる時間も無いですし、あなたなら昨日エティアさんの相手役もされてましたから、行けるだろうと監督も言ってまして」
助監督の言葉に、カンナは返事に困ってしまった。
確かに昨日、エティア・ハーツのPV撮影がやはりここマヤン島であり、夕暮れ時にエティアとキスシーンの撮影が行われた。
エティアは撮影とバカンスも兼ねていて、撮影の夕暮れまではカンナと共にスキューバダイビングなどして過ごし、撮影も相手役が気に入らないと撮影直前で外し、マネージャーのグレイスからカンナに護衛の延長としてやって欲しいとオファーがあったのだ。
引き受けてから撮影内容を知り、カンナが焦ったのは言うまでもない。
そしてその撮影を行ったのも、この撮影隊だった。
最初のコメントを投稿しよう!