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エルモに頭を下げられても返事をしないカンナに対しエルモはその場に膝をつき、土下座をして頼み込む。
「どうか、お願いします!」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ」
「おやおや、こんなに頼んでるのに引き受けないのか?薄情だねぇ」
焦るカンナの後ろから声がして振り返ると、キースが呆れながら歩み寄ってきた。
「何だよ」
「人が困ってて、それをお前がやれるのにやらないのは男としてどうよ?それに、相手はクレアちゃんだろ?知らない相手でもないし、聞いた話だと初デートがテーマらしいから、良いんじゃないのか?デート楽しめば」
一気に畳み込むキースに目の前には土下座したままのエルモ。
「―――分かったよ、やるよ」
これで断ったら、後々まで何と言われるか分かったもんじゃない!という気持ちもあり、カンナは引き受けることにした。
「ありがとうございます!」
カンナの手を握り、何度も感謝の言葉を口にする。
そして撮影隊のテントに再び案内されるカンナの後ろを少し離れて歩くキースとジュン。
「先輩、誰からか撮影のこと聞いたんですか?」
「俺もスカウトされたんだよ。でも良く内容聞いて断ったんだ」
ニヤリと笑いながら答えるのを見て、何か企んでるなとジュンは思ったのだった。
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