第1章

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 子どもの頃、俺はいじめっこだった。  いや、そんな顔をするな。昔の話なんだ。  相手はその時その時で変わったが、今はケンイチをいじめていた時の話をしよう。  ケンイチは、チビで要領の悪くて、そのくせに生意気な奴だった。  要するに、いじめられて当たり前なやつだな。  そこで俺達は仲間と共に社会の厳しさを教えてあげようとしたのだが、ケンイチはあっという間に学校に来なくなった。  別に大した事をしたわけじゃない。ランドセルの中身を水浸しにしてやったとか、それぐらいだ。  弱っちいヤツ。  で、俺達はそんなヤツの事は忘れてしまって、別のヤツをいじめて遊んでいたのだが、そのうちに知ったのだ。  ケンイチが、家でこつこつ何かを作っているという噂を。
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