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突然「うわーん!!」と飛びついてきたオレを、兄ちゃんがなだめてくれた。
よしよしと頭を撫でられて、やっと息ができるようになった。
「何だ。変わってきてんじゃん」と兄ちゃんが呟いたことは、もちろん聞こえない。
グスグスと鼻を鳴らしていると、兄ちゃんが言った。
「やっと認めたのか」
その言葉の意味が分からなかった。
キョトン、として兄ちゃんへと首を傾げる。
とりあえず、ここ最近の自分の心境の変化や環境の変化、悩み不安を伝えた。
もちろん相手が倉森だってことは伏せて。
なのに兄ちゃんはオレが1言えば10のことを察してくれた。
さすが兄ちゃんだ。
小さい頃からのオレの憧れの人だ。
「要するに、友はレオのことを好きだって気づいてから色々と不安になってるってことだろ?」
「んガッ!?」
倉森が相手なんて一ッ言も言っていない。
なのに兄ちゃんの口から、アイツの名前が飛び出した。
オレはおろおろと首を振る。
「な、何をバカな…っ」
「レオに付き合おうって言ってもらえないから、不安なんだろ?」
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