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どうしてそういう大切なものを、そういう不安定な場所においてくれるんだ!
オレは飛び返って庭を探した。
あれからもう3ヶ月。
どこにも見当たらない。
雪を混じって流れてしまったのかもしれない。
……くそぉ…っ!
あの日、あの時、やっぱり意地でも見に行っておけばと涙が浮かんだ。
「――あった?」
「っ!!!」
背後から声を掛けられ、振り返る。
キッと睨むも、その顔はいつものようにスカした顔で表情さえ崩れない。
「なんてことしてくれたんだよ!」
「別に。お前に届くなんて思ってなかったし」
「はぁ!? だったらなんでんなもん買ったんだよ!」
箱から想定するに、きっとジュエリー。アクセサリー。
こいつからもらう初めてのプレゼントだったのに、信じらんねー!
「あれには別に意味はない」
「はっ!?」
「あれは、お前の骨を折ったお詫びだ」
「……!」
「だから。」
そっ、と。腕を掴まれる。
そうして勢いよく引っ張られる腕の中。
「欲しいんなら、くれてやるよ。お前の言う“そういうの”」
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