恋する乙女へ第一歩

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ぐすっ、と涙を拭う。 別に、別に。 これは嬉し涙ってわけじゃねぇからな!? だけどそれを、いとも簡単に胸の中に閉じ込めてくれるのが、この倉森レオっていう暴君で……。 「……く、苦しいっ」 「もっと可愛く言えねぇの?」 「っ!!!」 やっぱりコイツも、コイツも……っ! (可愛い女が好きなんだ~~~~~っ!!!) 「んで、泣く、」 「泣くだろ! この面食い!」 「面食い?」 「可愛い女が好きなくせに!」 「よく分かってんじゃん」 「!!! み、認めたな……!? 認めやがったな…!?」 はわわと慄く。 すると倉森がますます怪訝な顔をする。 「は? 理解できるように説明しろ。ボケ」 「お前、可愛い女が好きなんだろ!? だったらなんでオレみたいな女と……っ! わ、分かった! やっぱりお前、オレのことなんて遊びなんだろぉぉぉ!!!!」 倉森の腕をすり抜けて、四つん這いで悔しがる――悲しがる?――オレに、それはもう呆れた顔。 「お前って……」 「んだよっ」 「ほんっと」 「!!!」 「――……飽きないな。」 ――――――――、!?
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