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褒められてるのか、貶されてるのか。
それでも今、こいつの腕の中にいることが、正しい答えなのかと思案する。
ホント、こいつって言葉が足りない。
説明も足りないし、てゆーかすべてに置いてまどろっこしい。
もっとストレートに言ってくれたら分かるだろうに、こういう手の速さだけはぴか一だから恐れいるよ。
口の中、文句を言いつつも、そんな倉森さえ愛おしいと思っている自分がいる。
ぶっきらぼうで、強引で、ただのエロ狼だけど、でも。
こいつの腕はいつだって、オレを抱きしめてくれるんだ。
ドキドキする。
それはもちろん落ち着かなくもあり、意外なことに心地よくもあった。
あ~~~~オレ、コイツの腕の中すげぇ好き……。
「――――、」
そこで思いつく。
兄ちゃんに言われたあの言葉。
ギュッと、倉森を見上げる為、首を垂直に押し上げた。
下からガン見する結果となって、倉森が眉を顰める。
「なに……、」
「好きだぞ、レオッ!」
「―――!」
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