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「ただいま~。 はぁ…この暑さで徒歩はきっついな。」 最近自転車が盗まれたので、しばらく徒歩で学校に通うハメになった俺。 本当についてない。ちゃんと鍵かけてたのに。 俺が暑さと葛藤しながら、自分の家の玄関に靴を揃えていると、 ダダダダダダダダッ とものすごい足音がこっちに向かってくる。 「げっ。」 俺は急いで玄関を後にし、自分の部屋に入ろうとするが、 「お兄ちゃん!」「ゆきにぃ!」 「「お帰りなさい~!」 双子の妹たちにすごい勢いで抱きつかれ、それは叶わなかった。 「今日は早いんだね~。雫、お兄ちゃん帰ってくるのずっと待ってたんだよ~。」 「あ、ずるい!綴だって待ってたもん! ゆきにぃ早く帰ってきてうれしい!」 「あはは~。ただいま。」 この双子の妹たちはいつもこう。自分で言うのもなんだが極度のブラコンだ。 お兄ちゃん呼びなのが片割れの姉で、中学3年の高橋雫(タカハシ シズク)。 そしてゆきにぃと呼んでくるのが同じく中学3年の妹、高橋綴(タカハシ ツヅリ)。 2人とも中学生とは思えないスタイルと顔立ちで、学校ではすごくモテるらしい。 それを兄にも分けてほしい。 姉妹喧嘩が勃発するまえにどうやって部屋に入ろうかと、抱きつかれたまま頭を巡らせていると、 「そういえばゆきにぃに荷物届いてたよ。」 と綴がリビングを指しながら言った。 「え!まじ!?」 俺はその言葉を聞き2人を置いてすぐにリビングへと向かう。 「あ~お兄ちゃん待って~。」と言いながら、妹たちが後を追ってくる。 やったぁ!やっと届いた!これもう生産50個限定で手に入らないんだよな~。 ルンルン気分で、机の上に置かれていた箱のガムテープやら包装やらを外していく。 箱には高橋幸音様と書かれていた。
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