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「ノート探し中。」
俺は恵斗の質問に答えながら、机の中のものを全部出す。
「てか、ほんと最近流行ってるよなー。あのゲーム。」
おかしいな、先週はあったはず。
「ほとんど毎日ニュースで放送されてね?」
ねぇじゃん。もしかして鞄の中か?
「おい、幸音。人の話聞いてる?」
「おー聞いてる聞いてる。
またあのゲームだろ?」
棒読みな俺の返事に、恵斗は不服そうにしながらも話を続ける。
「うちのクラスの荒井にも、招待状来たらしいぞ。
さっき女子がワーワー騒いでたわ。」
その言葉に俺は手を止めて、恵斗に顔を向ける。
「荒井さんに?」
荒井さんはこの2Aの学級委員長だ。
クールビューティという言葉が似合うなかなかの美人。
「おう。まぁ本人は誰かのイタズラって気にしてないみたいだったけどな。」
たしかに、イタズラ電話やメールが来るのは珍しくない話。
「…本当にイタズラだったらいいけど。」
恵斗は一瞬考え込む顔になったが、
すぐにごまかす様に笑って自分の席に帰っていった。
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