はじまり☆

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「ノート探し中。」 俺は恵斗の質問に答えながら、机の中のものを全部出す。 「てか、ほんと最近流行ってるよなー。あのゲーム。」 おかしいな、先週はあったはず。 「ほとんど毎日ニュースで放送されてね?」 ねぇじゃん。もしかして鞄の中か? 「おい、幸音。人の話聞いてる?」 「おー聞いてる聞いてる。 またあのゲームだろ?」 棒読みな俺の返事に、恵斗は不服そうにしながらも話を続ける。 「うちのクラスの荒井にも、招待状来たらしいぞ。 さっき女子がワーワー騒いでたわ。」 その言葉に俺は手を止めて、恵斗に顔を向ける。 「荒井さんに?」 荒井さんはこの2Aの学級委員長だ。 クールビューティという言葉が似合うなかなかの美人。 「おう。まぁ本人は誰かのイタズラって気にしてないみたいだったけどな。」 たしかに、イタズラ電話やメールが来るのは珍しくない話。 「…本当にイタズラだったらいいけど。」 恵斗は一瞬考え込む顔になったが、 すぐにごまかす様に笑って自分の席に帰っていった。
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