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「えーっと。まぁ特に連絡事項はないんだが、
最近妙な事件が増えてるため、気をつけるように!以上!」
担任のその短い連絡事項が終わり、みんなばらばらと帰り出す。
妙な事件ってやっぱりあれだろうな…。
俺も鞄を背負って教室を出ながら、ふと廊下のモニターを見る。
そこにはニュース番組や校内番組放送のためのモニターが設置されていて、
丁度午後のニュース番組が始まったところだった。
「Sステーションから午後のニュースをお送りします。
先ほど入った情報です。
東京湾付近で焼け焦げになった遺体が3体発見され、いずれも身元不明です。
また、3体の遺体には『ですげーむ☆』と書かれた紙が貼られており、連続殺人とゲームに関する情報と検証して捜査が行われています。
以上、Sステーションからお送りしました。」
これで何件目だろう。
最近ではこの手のニュースばかりだ。
あの死体たちが『ですげーむ☆』に関与していたかは定かでないが、
まるで『ですげーむ☆』に招待された者の末路とでもいうように、
わざわざ貼り紙を残していく。
俺にはそう思えた。
俺はハァっと短いため息をして、考えるのをやめた。
これ以上考えたら気分が暗くなる。
幸い俺の身内にもこの手の話は起きていないし。きっと大丈夫だ。
今日はヘッドホン届くし早く帰ろう。
俺は靴箱から靴を取り出し、履き替える。
「ヘッドホンもう届いてっかなー。」
軽い足取りで帰路を急ぐ。
このときの俺は本当に他人事で
何も、
まさか自分に起こる可能性なんて
考えていなかったんだ。
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