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「あはは、大丈夫!!
エゴなんて上等だよ。
好きなことができる上に、誰かのして欲しいことも出来るなんて一番いいじゃん!!
アヤメちゃんは優しいから沢山考えちゃうのはいいけど…
こうして単純に適当に考えて息抜きするのも、
いいもんだよ~。」
私が暗い顔なんかをしていたからだろう。
佐野先輩はいつも誰にでもしているように優しいかった。
ただ、
それでましにはなるが安心が出来なくて、
下劣な私はもどかしい気持ちになってしまった。
「ああ、そう言えば外でまだ黒須さん、それに芳川さんが待ってたんだ。
ごめんね!!
つい長話しちゃって…
それじゃあ僕は友達のとこで部活動してくるから、
また今度ね!!」
そうしてよいタイミングで私に助言してくれた先輩は、
部室を出ていった。
「佐野先輩、
私が自己嫌悪に入ろうとするタイミングでいっつも私の所に来るなあ…
エスパーなのかな。
もしかして私をストーカーしてたとか?
いや流石に私みたいなブス相手にする余裕はないでしょ。」
そんな訳で私は、
二人で沢山の人のカウンセリングが出来るように場所を分担しているのに自己嫌悪に私が入ろうとしたときに現れる先輩を不思議に思いながら、
その日は残りの楽しかったり、可愛そうだったりする話を
安心感に浸りながら聞いて、
放課後を終わらせたのだった。
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