農耕・狩猟の国 フリア公国

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うん、でもまあ、早めに職安にこれてよかった。 なんにせよ金がないと死ぬからね。 「おおう……」 木の扉を開けると、中はだだっ広いロビーだった。 奥には、バー?いや、飲み屋が構えていた。 恰幅のいいおっさまたちが木のジョッキ片手に大笑いしながら、酒を流し込んでいる。 「………職安とは……言ったが…………ゴフッ………何でも屋という体の方が………一般的かの……………ゴフッ…………」 「何でも屋ねー」 あれか。 漫画とかでよく出てくるギルドまんまか。 よく見たら掲示板みたいなのあるし。 受付いこ。 分からないなら聞く。これ大事。 「すみませーん」 「はーい! ようこそギルド"レックスサルタ"へ!」 奥から現れたのはすごく普通な女の人だった。 「旅をしていたんですが、恥ずかしながら資金が底をつきまして……。少しここで落ち着こうと思って、仕事を探してるんです」 「では、登録はどうなさいますか? こちらではあいにく短期登録は扱っておりませんので、10年からのギルドカードになってしまいますが……」 何言ってるか分からぬ。 いや言葉は分かるけど。 ギルドカードとか短期登録とかナニソレ。 『もしもし』 「あ?」 「え?」 『私です。ウルです』 先に名乗りや。 受付嬢に変な目で見られとるがな。 『その世界の知識を持っていないことを思い出しまして。すぐにあなたの中に知識として組み込まれます』 遅いよう。 ……お、なんかキタ。 「あ、すみません。短期登録にしておきたいので、紹介状などいただけますか?」 「え? あ、ああ、はい、分かりました。確認や書類等の手続きがございますので、あちらで少々お待ちください」 「ありがとうございます」 あちら=飲み屋 そこにはベロッベロのテタルトがいた。 神も酒に呑まれるのな。
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