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「ここはどこだ」
電車の中で電波っぽい超絶美人に手を掴まれたとこまでは覚えてる。
今いるのは真っ白な……いや、色のない空間だ。
普通なら不快に感じるだろうに、おれはむしろ居心地がよかった。
その居心地のよさに一抹の不安を感じる。
「死んだのか?」
「あ、起きたんですね」
「誰……あんたか」
なんとなく声で分かったが、やっぱりあの美人だった。
名前わかんないのは不便だね。
「ひどく他人行儀ではないですか
? どうしたんです?」
他人ですしおすし。
「……いくつか質問よろしいですか?」
「どうぞ」
「ここがどこか分かりますか?」
「いいえ」
「ご自身の名前は分かりますか?」
「そりゃあ……あり? ……わかん、ない……?」
「……私のことは分かりますか?」
「……………いいえ」
ちょっとまって。
なんで自分の名前出てこないの。
おかしくね?
「ここは天界のあなたの部屋です。私は先ほどまであなたのいた世界を含め、その他いくつかの世界を創った神。名を創造神、字をウル。
そして、あなたは私を除いて四番目に創世神様がお産みになった神です。
名を来訪神、字をトリックスター」
「はい?」
「本当に覚えていないようですね……」
人違いじゃね?
そう言おうとしたとき、背後に何かの気配を感じ、振り返る。
そこにはとっても濃い四人(?)がいた。
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