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――序章――
誰かが言っていた。
幸せな終わりなんて――――ハッピーエンドなんて、この世に存在しない、と。
でも、俺はそうは思わない。
きっと、いつか、また――――
おとずれる幸せを、信じているから。
私は、こわかった。
会いたいけれど、会ってしまったら終わってしまうこの世界が。
きっとこの出会いが導くのは最悪のバッドエンドなんだろう。
でも、それでも――――
君に出会わずに終わる世界のほうが、私にとって最悪のバッドエンドだから。
――――――――
あかずきん、という話を知っているだろうか?
この小説に出てくるのは、狼少年から狼人間へと変貌を遂げた男の子と、"あかずきん"と呼ばれる女の子の、
恋の、話
第一章 おおかみ
その日、狼人間であるレントは腹を空かせ森を歩いていた。
「(あーあー、今日の獲物はデカかったのになぁ…惜しい事をした)」
あと一歩、というところで獲物に逃げられてしまい、腹は減るしイライラはするしでレントは非常に不機嫌だった。
「(はぁ…もう今日は諦めるしか………お?)」
→
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