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がっくりと肩を落として住処に帰ろうとした時、遠くのほうをふっ…と、何かが横切った。
それは、印象的な 赤 だった
――――
「はあ…疲れた…」
赤いずきんが印象的な少女、リンネは、まだ歩きなれない道を一歩一歩しっかり歩んでいた。
リンネのおばあさんは病気を患っていた。それ故に今までは母と一緒にお見舞に行っていたのだが、最近は母も忙しいらしく今日からリンネ一人で行くことになったのだ。
「…………」
いつもは母が居るから楽しい帰り道も、一人だと途端に寂しくなる。
「(誰か、居ないかなぁ…?)」
辺りを見回して見るが、人と思われし影はない。
だが
「っ…!!(今っ…)」
がさり、と近くで草を掻き分ける音がした。
バッ!!とリンネがその方向を見ると一瞬、何かが動いた。
「(何…あれ…?黒い影…)」
リンネは怖くなり、家への道を駆け出した。
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