都市について

2/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「蒸気都市エイザトス」 排煙をその都市中に揺蕩わせる、蒸気機関によって支えられた都市。元々は蒸気機関運用のテストモデルとして大陸に作られた都市なのだが、突如発生した「灰煙」によって出入りが出来なくなった都市でもある。 迷宮と呼ばれる異界に繋がった謎多き遺跡が都市内に多数存在し、灰煙によって青空さえ失った人々は、その迷宮からそこに住まう≪化物≫を狩ったり迷宮内の鉱物を採取したりして生活を成り立たせている。 灰煙で閉ざされる前は大陸のとある国が管理していたのだが、現在は管理者らしい管理者もおらず、統治者のいない無法都市となっている。あらゆることが許されると同時に、奪えば奪われ襲えば逆襲される覚悟を持って。というのが都市内における考え方である。 が、それでも当時の名残か「クレッド」という単位の硬貨が現存しており、人々の生活も多少の治安の悪さはあれどただ奪い奪われるだけの生活ではなく、貨幣を用いた制度のある生活が続いている。 不自由でありながらどこよりも自由な都市。 主に都市は七区に分けられており、迷宮の内部はその区によって変異する傾向が見られている。区画にも区画ごとの特徴が見られており、それが反映されたのではないかと言われているが真偽は不明。 都市内には推定120万人にも及ぶ人々が暮らしているとされており、各々が好きな区画に居住を構え生活をしている。土地代などは存在しないものの家賃はきっちりあるらしく、往々にして閉鎖される前に保有していた一定数いる「富裕層」が建物を管理しているとか。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!