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 ほどよくズームアウトして眺めるのは一匹のネコである。  紫がかった桃色の毛をしたネコはしっぽをだらりと下げてじっと佇んでいた。  牡丹色ともいうね。  こんな風に毛の色が独創的なのはカミサマのせいなんだよな。  あれだよ、カミサマのイタズラってやつ。元は白猫のはずだったんよ。  カミサマは牡丹(ぼたん)って呼んでる。やだー、カミサマ超勝手だー。勝手に色変えたくせにその色で呼ぶなんてー。  いや、まあ誰にも咎められはしないんだがね、カミサマだし。  たとえ咎められたとしてももう元には戻せないんだよね。  ぶっちゃけカミサマがいじくれるのは発送段階までなんだぜ。ノクレノリタでお願い。……いや、まー、カミサマもオニじゃないから(カミサマだっての)、なんかほかのことでどうしてもってんなら聞いてやらんこともない。  でも、カミサマってーとみんな、それぞれの宗教のカミサマをイメージしちゃってんだよね! それはカミサマかもしれないけど、少なくともここで思考を垂れ流す僕、ではないんだぜ。  祈る相手間違ってるぜキミタチ。まー、こんなカミサマがいることを信じていないから当たり前だわな。そんなこともカミサマ知ってる。全知だから!! でも全能ではないんだよね。
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