0人が本棚に入れています
本棚に追加
「……君が…ほしい…」
「…!」
「君を僕の物だけにしたい…」
「ひっ……い、た…!!痛い…カムイさん…!」
どんどんリンネを抱く力は強くなり、カムイの爪はリンネの背に食い込んだ。
「カ、カムイさん…こ、怖いよ…もう止めて…」
「リンネ…リンネ…リンネリンネリンネリンネリンネリンネリンネ」
呪文のように名前を呼ぶカムイにリンネは更に怖くなる。
「いや…いやっ!離して…!!」
――誰か助けて!!
心の中でそう叫ぶリンネの目に、
怒り狂った顔のおおかみ少年が見えた
ドクンッ…
「…………ぁ…」
「…?」
ふ、とカムイの瞳に色が戻った。いきなり黙りこんだリンネの視線の先を追い、そして息を飲む。
「お前は……おおかみか…」
ガチン
歯車の噛み合う音がした
→
最初のコメントを投稿しよう!