第1章

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「……君が…ほしい…」 「…!」 「君を僕の物だけにしたい…」 「ひっ……い、た…!!痛い…カムイさん…!」 どんどんリンネを抱く力は強くなり、カムイの爪はリンネの背に食い込んだ。 「カ、カムイさん…こ、怖いよ…もう止めて…」 「リンネ…リンネ…リンネリンネリンネリンネリンネリンネリンネ」 呪文のように名前を呼ぶカムイにリンネは更に怖くなる。 「いや…いやっ!離して…!!」 ――誰か助けて!! 心の中でそう叫ぶリンネの目に、 怒り狂った顔のおおかみ少年が見えた ドクンッ… 「…………ぁ…」 「…?」 ふ、とカムイの瞳に色が戻った。いきなり黙りこんだリンネの視線の先を追い、そして息を飲む。 「お前は……おおかみか…」 ガチン 歯車の噛み合う音がした →
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