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第六章 おおかみとあかずきん
「…その子を離せ…人間…」
レントは今まで自分がしたことのないような憎しみと妬みが混じった表情で、カムイを強く睨みつける。
「……人ならざるものが彼女に何のようだ?食べるつもりだったのか」
「違う」
「じゃあ何だ…。卑しいおおかみごときが、彼女に近付くな。彼女が汚れる」
そう言ってリンネを背中に隠すカムイに、レントは自分の中で何かが切れるのが分かった。
「お前は…お前は狂ってる…!」
「何…?僕のどこが狂ってると言うんだ」
「全てだ!!性格も、愛情も、その表現の仕方まで!!!!…彼女が望むなら手を引こうと思ったけど…、お前なんかに彼女は渡せない!!」
そう言うレントの表情は怒りに満ちていて、リンネは思わず怯えた
「ほう…面白い。ならばどうする?」
「お前を…殺す!!!!」
カッ!!と瞳孔を開き、レントはカムイに飛び掛かってきた。
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