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碧の温もりを感じたまま眠りについたその夜。私はそこから一度も目を冷ますことなく朝を迎えた。
「…ん…」
目が覚めた時に感じたのは、体が軽くなったということ。これなら熱が下がったのだろうと、私は感じた。
「……?」
額に手を当てようと手に力を入れたのに、手は動かなかった。
「あっ……ぉ」
名前の途中で止める事が出来た私の声。
「…まさか…」
私が眠りにつく時と同じ場所に座り、俯せに近い形で頭だけベッドに乗せて眠っていた。私の手を握ったまま。
碧を起こさない様に自分の体を上半身だけ起こし、まじまじと碧を見る。
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