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「久しぶりだな、佐々木。もう、七年ぶりくらいか?」
優しい響きを持った低音の声が、私の耳に心地よく届いた。
「伊藤……君」
『もしかしたら、会えるかもしれない』
そう、考えなかったと言ったら、嘘になる。
だけどまさか、本当に会えるなんて――。
「そう……だね。高校の卒業式以来だから、そうなるねー」
『ああ』と目で頷いて、伊藤君はベットサイドに、つまり私の方に歩み寄ると、ハルカに抱えていた花束を静かに手渡した。
「はい。リクエストの、ガーベラ。これで良かったのかな?」
「うん。伊藤君、ありがとう。あーちゃんの向日葵と、伊藤君のガーベラ。今日はまるで、花畑みたいだね」
ハルカはそう言って、チラリと浩二に悪戯っ子みたいな視線を投げた。
それに気付いた浩二が、『うっ!』と固まったあと、引きつった笑いを浮かべる。
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