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怒りの頂点に達しようとしている私の心中を、知ってか知らずか。
信号が青に変わり車をスタートさせた浩二は、運転に集中しながらも、話をやめようとはしない。
「で、それで?」
「何が、それでよ?」
前方を、厳しい表情で見つめてハンドルを操る浩二の横顔を、睨み付けて言う。
浩二はその厳しい表情のまま、情け容赦なくズバリと核心を突いてきた。
「俺はまだ、質問への答えを聞いてない。俺は、亜弓が貴史を好きかどうか聞いたの。
はぐらかすのはナシな。男として、好きか、嫌いか、どっちかだ。
分かった?」
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