第4話【暴露】暴かれた想い。

6/30
前へ
/30ページ
次へ
あまりに大きな、立派すぎるその佇まいに、なんだか、怖いような感覚に襲われてしまう。 子供の頃から、病院って何だか苦手だ。 病院が好きな子供の方が少ないだろうけど、 私の場合は、八歳の時に亡くなった祖母が、入院して病気で苦しむ姿を見ていたから、よけいにそう思うのかしれない。 苦しみながら、まるで枯れ木のように、病院のベッドの上で息を引き取った祖母の姿が目に浮かんで、 私は、来る途中、花屋で買ってきたミニ向日葵とかすみ草の花束を、潰さないようにそっと胸に抱え込んだ。 フワリと、微かなに優しい香りが鼻腔に届く。 向日葵って、なんだかお日様の匂いがする。 私は、静かに目を閉じて、懐かしい友の顔を思い浮かべた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

176人が本棚に入れています
本棚に追加