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今の病院って、土足のままで良いのね。
大きな病院がみんなそうなのか、新しい病院がそうなのか知らないけど、
玄関でスリッパに履き替える小さい個人病院しか知らないから、ちょっとしたカルチュアー・ショックだ。
近代的な大きな病院の雰囲気に圧倒されつつ、私は浩二の後に続いて、三階にある外科の入院病棟に向かった。
が、エレベーターで三階に着いたのは良いけど、広すぎてどこに病室があるのか分からない。
確か、ハルカの病室は315号室。
エレベーター前のフロアで思わず立ちすくんでいたら、「こっちだ」と、浩二が迷う風もなくスタスタと歩きだした。
なんで浩二が、ハルカの病室の場所を知っているの?
と、不思議だったけど、よくよく考えれば、親友である伊藤君の彼女だもの。
前に、お見舞いに来ていたっておかしくはないと、思い当たる。
「あ、待ってよ!」
置いて行かれそうになった私は、慌てて浩二の後を追った。
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