第4話【暴露】暴かれた想い。

9/30
前へ
/30ページ
次へ
それにしても。 もっと早くに教えてくれたら良いのにっ! 誰に口止めされたのか知らないけど、私にまで秘密にしておくことないじゃない? なんて考えながら歩いていたら、浩二が立ち止まったことに気づかずに、背中に『ぐしゃっ』っと、激突してしまった。 って、ぐしゃっ!? 嫌な予感がして、浩二の背中と自分胸の間に、恐る恐る視線を落とす。 そこには、見るも無惨に押しつぶされた、ミニ向日葵の花束。 「うわぁ、花がっ!」 慌てて一歩後ろに飛び退いて、抱えていた花束を覗き込む。 潰してしまったかと心配したけど、ありがたいことに向日葵は強かった。 つぶれた包装紙をバリバリと元に戻すと、最初から何も無かったかのように元通りに復元した。 「よかったぁ……」 「ここだ」 浩二は、私の一人漫才を見ない振りして、パステルピンクのスライドドアの前でくいっと、あごをしゃくった。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

176人が本棚に入れています
本棚に追加