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「ぼくには逆島家を再興するような能力はないし、進駐官としての適性も欠けている。人を殺し、敵の領土を奪うのが、進駐官の仕事なんだぞ。最初から向いているはずがなかったんだ」  五十嵐と浦上、ふたりの同級生のデスマスクが脳裏から離れなかった。これも真夜中のせいだろうか。タツオの気分はどんどん絶望的な方向に傾いていく。 「だいたいこの世界はなんなんだ。自分たちが成長するためには、敵から資源と領土をぶんどるしかない。侵略戦争を仕かけて、植民地を果てしなく奪いあうのが、先進国の証明だなんて、みんな頭がおかしくなってるんだ」  ジョージが両手をうしろについて、足を組んだ。つま先を揺らしながらいう。
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