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「起きてくんない?今日さぁ伊知子と買い物に行く約束してるから」
ソファから落ちてカーペットに寝ていた直樹がまぶしそうに目を開ける。
私は傍らに膝をついて覗き込む。
はっきりとした二重の切れ長の大きな目がゆっくり開く。
「おは…よ」
掠れた声でだらしなく笑った顔は見ようによっては可愛いのかもしれないが、
早く出かけたい私にとってはそれどころじゃない。
「ごめん。急いで帰ってくれると助かるんだけど」
直樹はだるそうにソファにもたれて伸びをする。
「あいたた、肩痛いな。落ちた時打ったかなぁ」
私はそんなつぶやきも気にせず、手にタオルを渡す。
彼は体を伸ばしながら、やっと洗面所に向かった。
週末だし、仕事終わりに飲もうという事になってうちに来たが、
やはり疲れが溜まってたんだろう。
いつもの如くいつの間にか二人ともリビングで眠り込んでしまった。
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