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6:10に携帯のアラームが鳴った。
ぼんやりとした頭ですぐに直樹に電話する。
「も…しもし」
掠れた声で直樹が出た。
出発時間話してたのに、寝てたな…コイツ。
「おはよう。20分後に下に集合ね」
「りょーかい」
急いで顔を洗って服を着替え、化粧水と下地塗ってリップクリームを塗る。
化粧ポーチは持っていくし、こんな早くに知り合いに会う事もないだろうから、残りは電車内で。
昨日買い出しで買ったお土産用のお酒も持ってドアを閉める。
外は雨が夕べから止まずに降り続いている。
マンションの下に降りるとノーネクタイで黒の上下の直樹が立っていた。
「やっぱり手ぶらね。じゃあ、これ持って」
私がお酒の入った紙袋を渡すと覗き込んだ。
「何これ?」
「おじさんにお土産。たまにしか帰らないのにお土産も無し?」
「あ~忘れてた。駅でなんか買うわ」
癖のある髪は軽くムースで直したみたいだけど、どう見ても顔が寝ぼけてる。
「時間あるといいけど、とにかく駅に行こう」
私たちはすぐにやって来たタクシーに乗り込んで駅に向かった。
私たちは朝食にお土産に直樹はおやつ?らしきものまで買って新幹線に乗り込んだ。
早朝の新幹線には乗ったことがなかったが意外に混んでいて2人席に並んで座った。
直樹は早々にテーブルを出し食べ物を広げた。
サンドウィッチ2個におむすび2個、缶コーヒーを開けて飲み始める。
「朝から食べるわね~」
私も缶コーヒーを開ける。
「あんまし電車で遠出ってないし。食欲もでるってことさ」
遠足レベル?いい大人の男が言う事かなとは思うけど、直樹らしい。
二人で並んでサンドウィッチを頬張る。
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