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 レイは思いつきます。  走ればいいのだ。  しかし、月にはうさぎともちの原料と悲しみがたくさんで、走る場所なんてありません。  それならばとレイは青くて大きな星のうえに降りたちました。  おひさまがしずむまでは眠ってすごし、あたりが暗くなってからレイは走ります。  そこらじゅうで落ちてるきらきらしたものはいったいなんなのだろう、と思いはしますが、まわりの人びとはそのきらきらを気にかけるそぶりを見せなかったので、大したものじゃないと判断したのです。  つかもうとしてもつかめなかったので、自分がどうにかできるものではないとレイは自身を納得させていました。
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