6人が本棚に入れています
本棚に追加
06
今夜はすこし、女の子のようすがヘンだとレイは思いました。
おまつりの最中に、親とはぐれたのに気づいたみたいに立ちすくんで、女の子は涙を流します。
大きな瞳をぬらしてあふれたものが、地面に落ちたら、見覚えのあるきらきらしたものになっていました。
レイは思いいたります。
きらきらしたものは涙なのだと。
人びとはたくさんの涙を流して生きているのだと。
月の裏側が悲しみでいっぱいになるのも納得できました。
最初のコメントを投稿しよう!