1 見知らぬ部屋

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その瞬間、真斗の左腕はスッと注射針から離れる。 左手を拘束していたベルトが外れたのだ。 掌を縦にして、親指を中に入れて引くと、簡単に外れたようだ。 震える右手を同じように引くと、ベルトはまた外れた。 上体を起こした真斗は、右手で長髪のゾンビを振り払う。 ガッ―― 力んでいた右の拳は、長髪のゾンビの顎に当たった。 ゾンビは脳震盪で、膝からガクッと崩れる。 しかしその瞬間、大柄なゾンビが、背後から右腕で真斗の首を絞めてきた。
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