1 見知らぬ部屋

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真斗は、当たり前に"例のこと"と言う 小柄でスラッとした体型の男の言葉に、 何か重大な事柄を、 やはり自分だけが知らないのだと改めて感じた。 「お、俺は室井剱(むろいけん)。 あんたらは… あんたらも赤目の奴らに襲われてここに?」 真斗は、“赤目”というのは 床で倒れているこの赤い目の ゾンビのことだろうと解釈した。 室井の問いに、承が答える。 「私は承、こっちは……」 「あ、えと…星流真斗(ほしながまなと)…です」 承は説明を続ける。 「私は、赤目に襲われたっていう 記憶はないわ…。 気が付くとここにいて、 この真斗…って呼ぶね、 …が赤目の奴らに襲われてて、ベルトを壊して、 とにかく夢中で…助けたの」
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