1 見知らぬ部屋

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真斗は気になっていたことを2人に言う。 「さっきから言ってる、 あれとか、例のことって何?」 承と室井は、拍子抜けしたように ぽかんとして真斗を見た。 「あれって、あれだろ? その記憶までないのか?… …カコデイのことだよ…」 そう言われても全く何のことか、 真斗は分からなかった。 真斗はもっと詳しく聞こうとしたが、 承が先に喋り出した。 「室井は、ブーツとか武器は?」 突然呼び捨てにされた室井は、 あたふたしながら答える。 「ぶ、武器?そんなの何もないよ。 中学、高校、大学とずっと 陸上をやってたから、その… 1人で逃げて逃げて逃げて…生きてきたんだ…」 承は、足手纏いなだけかもしれない彼に、 溜め息を吐く。
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