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西暦:2027年 場所:高校 時間:昼
「学年成績ランキング聞いた?
今回から、突然、
1位があの黒髪の女子、黒崎咲絵(くろさきさくえ)、
2位がすらっとしたイケメン
佐崎秀馬(ささきしゅうま)、
3位が巨漢の渡辺紘氣わたなべ(ひろき)
というメンバーになったらしいんだ。
…で、突然の3人の急上昇に、
先生達はカンニングを疑ってるんだが…
SXK(セカスク)社って知ってるか?
大不況の世界の景気を左右する超大企業の。
裏じゃハッキングやクローン技術、
夢のような薬の研究を進めてるって、
ネットで噂になってるけど、
その中に記憶補助装置メカメモの
試作品があって、
それをSXK社の役員の息子である
太っちょの渡辺が使ったっかもってことよ!」
和田は息をスッと吸うとそのまま続けた。
「それが、調べた情報によると、
莫大な情報の入った小さな豆粒みたいな
本体を両方の耳朶に入れて、
爪に何かを付けて指をマウスにして、
色々と調べれて、
結果というか
画面の情報が脳に送られて、
自分の目の前にだけ表示されるっていう、
凄い代物なんだよ」
少し驚く真斗を見ながら、和田は付け加える。
「ネット接続可能で、
しかもちょっとした人工知能も搭載してて、
目の前の人の心理も分析できるって噂も…。
何か、脳の視覚野の情報を?
耳朶の本体が受信したり、
本体から視覚野に映像が送られたりする
仕組みらしいよ。
俺もおやじがSXK社の役員だったらなぁ…」
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