夜の丘の上公園

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ゆっくりとその姿は闇夜に浮かび上がった。 ゆったりとした足取りで、夏風に漆黒の短髪を遊ばせながら、一人の男が階段をのんびりと上っていた。 公園にある青白い蛍光灯。 冷たくその光を放つ背の高い街灯は、夜に包まれた丘の上公園を照らし出していた。 カチッと音がして、蛍光灯の下にたどり着いた闇に溶けそうな程黒づくめの男の顔が、オレンジにぼんやり照らし出される。 一瞬白い煙が顔面を霞め、風に流れて消えた。 夜の空気に、KOOLの匂いが舞った。 約束の時間は午後10時半。 芝生の真ん中に無機質に建つ時計は、沈黙を守ったまま10時15分を指している。image=485736605.jpg
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